Eric Brown, A Prayer for the Dead

95年から2002年にかけて様々な雑誌に発表された短編を集めたThe Fall of Tartarusの中の一編。恒星の超新星爆発によって滅びる事が分かっている惑星タルタロスを舞台にしているという共通点を持っているものの、それ一編だけでも理解できるようになっている。この作品は、その中でも一番最初に発表されたものなので細部の設定はかなり怪しい。
主人公のジョーはその超新星爆発による惑星の壊滅を逃れて地球に移民した住民の一人。彼は惑星の最後の姿を見届ける為に、この星に戻ってきたのだ。子供の頃に仲間と共に遊んだ湖の岸辺を歩きながら、彼は14の夏の日のことを思い出していた。懐かしさと悲しみが綯い交ぜになった、あのひと夏の出来事を。
ということで、良くここまでジュブナイルジュブナイルした話が書けるなあというぐらい完璧なジュブナイル。僕は好きだけど、この設定で(というか、SFで)やる必然性がそれ程感じられないと思った。
初出は、Interzone 96, 1995

The Fall of Tartarus (Gollancz S.F.)

The Fall of Tartarus (Gollancz S.F.)