ジョン・スコルジー『老人と宇宙』(ハヤカワ文庫SF)

老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)

老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)

 この前『ハローサマー、グッドバイ』を買いにいったら続編が売られていたので、そろそろ読まねばなあと1巻を買ってきたのでした。
 で、読了。エンターテイメントに徹したというだけあって、非常にすらすら読めて面白い。一回一回の戦闘も考えられているし、「熱さ」のようなものもある。良い娯楽小説でした。続編も読もう。

『とらドラ』?(メディアワークス)

とらドラ!(1) (電撃コミックス)

とらドラ!(1) (電撃コミックス)

 別の本を買いに行った書店で見つけたので購入。『とらドラ』は好きなんだけど……うーん、正直これはどうかなあ。絵は好きなんですが、基本的に原作どおりというか新しい要素が無いので、個人的にはちょっと残念だったかな。

坂木原レム『モンスターキネマトグラフ』(リュウコミックス、徳間書店)

モンスターキネマトグラフ (リュウコミックス)

モンスターキネマトグラフ (リュウコミックス)

 すごい力技だから読んでみろと人に言われて買った本なんですが、面白かった。表紙の妙齢の女性は、興奮すると怪獣になる体質で、戦前は兵器として南方で戦いに駆りだされていたんですが、敗戦後は政府の監視下に置かれながらの生活を送ってます。そんな折、怪獣映画の俳優として(もちろん怪獣役)スカウトされるのですが……
 こんな設定の話で、話の運びもちょっと変なのに、普通に良い話に落とせるのは登場人物の力故なのかなあ。ナカジマさん良い人や。

石黒正数『探偵綺譚』(リュウコミックス、徳間書店)

探偵綺譚?石黒正数短編集? (リュウコミックス)

探偵綺譚?石黒正数短編集? (リュウコミックス)

 『それでも町は廻っている』で有名な石黒正数の短編を集めた短編集。どれも日常を描いてるようで、どこか変な話ばかりです。「気の抜けたビールで……」があほらしくてすばらしい。

最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』(新潮社)

星新一 一〇〇一話をつくった人

 やっと読了。各地で絶賛されていて、賞もいくつもとっている作品なので、期待して読んだんですが、期待通りすごい本だった。星新一(親一)の産まれる前から書き起こし、遺品及び関係者への取材に基づいた記述を通して、星新一という人物が鮮やかに描き出されている。ある人物の思いなんて、本人にしか分からないものなので、本当にそうだったかは厳密に言えば分からないんですが、その語りえないものを関係者の証言や、断片的な日記から浮かび上がらせる様は圧巻。ぶ厚い本ですが、一読の価値は十分すぎるほどあります。

山本 弘『MM9』(東京創元社)

MM9

MM9

 ある意味チープで決着の着け方とかすごい力技なんだけど、書いてて楽しかっただろうなあと言うのがものすごく伝わって来る作品だった。ああ、この場面が書きたかったんだなあと感じた場面がいくつもあったし。

 僕は最初に読んだ山本作品が「妖魔夜行」という人間なので、特にこの手の話が好きなのかもしれないですが、面白かった。

 これは、『シュレディンガーのチョコパフェ』も買って来るべきだなあ。