『極北からの声―フルメタル・パニック!サイドアームズ2』(賀東招二、富士見ファンタジア文庫)

極北からの声―フルメタル・パニック!サイドアームズ〈2〉 (富士見ファンタジア文庫)
 これも今更出ていることに気づいたので、買ってきた。カリーニン大佐と宗助が初めて出会ったエピソードと、<トゥアハー・デ・ダナン号>誕生のエピソードの二つに、いつもの調子の短編が収録されています。短編のギャグも嫌いじゃ無いんだけど、どちらかといえば、前二つの話の方が好きかなあ。

 この2冊の他に、数日前にイアン・R・マクラウドの『夏の涯ての島』も読み終えているんだけど、感想が中々書けないので、また後日。(とかやっていると、実際に書かなくなってしまうので、明日ぐらいには…)
 

『とらドラ!』(竹宮ゆゆこ、電撃文庫)

とらドラ!1 (電撃文庫)
 今更とらドラ!を読み始めた。諸事情によって、2巻の方を先に読んでしまったりしているのだが、2巻よりはこちらの方が面白かった気がする。このままシリーズを全部読んでも良いものだろうか?ここで止めておくのが正解だったってシリーズものってあるからなあ。逆もまた然りで、「ここで切らなくて正解」というのもあるからシリーズものは難しい。

フィリップ・リーヴ『掠奪都市の黄金』(安野 玲訳、創元SF文庫)

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)

掠奪都市の黄金 (創元SF文庫)

 下に続いて、『掠奪都市の黄金』を読了。
 前巻のラストから数年、トムとヘスターの二人はアナ・ファンの残した<ジェニー・ハニーヴァ>号を操って飛行船乗りとして各地を旅していた。しかし、たまたま寄港した空中都市エア・ヘイブンで、ペニーロイヤルと名乗る怪しげな人物を乗せたことから、彼らの危険ながらも満ちたりた日々は終わりをつげる。反移動都市同盟の戦闘飛行船に襲われて氷の平原をさまよった後、移動都市アンカレッジに拾われたは良いものの、アンカレッジの市長である辺境伯フレイア・ラスムッセンがトムのことを気に入ったものだから当然へスターは面白くない。鈍いトムはそんなヘスターの気持ちに気づかずに辺境伯との歴史談義に夢中になってしまう。そして、ある吹雪の日、決定的な瞬間を目撃してしまったへスターはアンカレッジを一人飛び出してしまう。行き先は掠奪都市アルハンゲリスク。アンカレッジの情報を売る引き換えに、自分にトムを助け出させて欲しいと願うために。
 謎の大地へと向かうアンカレッジとそこにに住む気の良い人々、胡散臭い改変歴史家ペニーロイヤル、謎の集団ロストボーイとその頭領、反移動都市同盟の司令官、と登場人物がほんとうに生き生きと書かれていて、それだけに彼らを襲う悲劇が心を打つし、喜び、悲しみといったものが強く伝わって来ます。読み手は第三者視点で「そんなことをしなければ良いのに」と思うと同時に、そうせざるを得ない登場人物達の気持ちも良く分かる。その結果が悪いほうに出れば「ああっやっぱり」と思うし、良い方に出れば素直に嬉しい。そんな風に登場人物と共に一喜一憂できる良質のジュブナイルでした。第二部に入ってからの怒涛の展開は本当に面白かった。
 色々回収されて無い伏線を残しながらも、この本の最後で主人公二人にとっては非常に良い結末を迎えているので、これで終わりなのかと思ったのですが、訳者あとがきによれば、このシリーズは全4巻で、後2冊残っているそうです。次の巻では、トムとヘスターはいなくならないものの、主人公は変るようで、続刊が待ち遠しいです。英語版も買えるようだから、余裕があったら買おうかな。
Infernal Devices (The Hungry City Chronicles)

Infernal Devices (The Hungry City Chronicles)

A Darkling Plain (Mortal Engines Quartet)

A Darkling Plain (Mortal Engines Quartet)

フィリップ・リーヴ『移動都市』(安野 玲訳、創元SF文庫)

移動都市 (創元SF文庫)

移動都市 (創元SF文庫)

 評判は耳にしていたのですが、読んでいなかった本。噂にたがわず面白かった。
 移動する都市同士が食って食われてを繰り返す異形の未来、最古の移動都市ロンドンに住む孤児の少年トムは冒険を夢見ながら、現実には史学ギルドの見習いとして博物館で下働きをする日々を送っていた。ロンドンが久しぶりに獲物を見つけた日、敬愛するギルド長の助手として獲物の検分をする作業の途中、謎の少女へスターによってギルド長が殺されかけるという事件に遭遇する。そのことが彼の運命を大きく変えることになるとはしらず、へスターを追いかけるトムであったが……
 途中で、ちょっと読みにくいなあと思うところはあったけれど、最後のクライマックスの所は本当に面白くて一気に読んでしまった。話を構成する要素を一つ一つ取り出してみると、特に目新しいところは無いはずなのに話に引き込まれてしまうのは、やはり舞台設定の妙というものでしょうか。何も無い荒野をグロテスクなまでに機械化された都市が移動していく様を想像すると、それだけで笑えてきます。
 続編がちょうど出たところなので、次はそれを読む予定。

長谷敏司『円環少女』5(角川スニーカー文庫)

 気づかないうちに5巻が出ていて、気づかないうちに既に6巻が出ているらしい。ほんと色々気づいてないものが多すぎる。
 それ以外行き着きようが無いとはいえ、状況はどんどん救われないことになってます。先を読むのが楽しみの様なそうで無いような。でも6巻は早めに手に入れよう。